カマキリ協奏曲

 昨日、夫と私と娘で喧嘩になり、最終的にはあまりにもモメ過ぎて全員がふて腐れ、別々の場所で不貞寝をするという結末になったんだけど(娘はリビングのハンモックの中で寝たのを夫が運んできました)、朝起きたら「何であんなにモメたんだっけ???」ってなってたので、眠いとか疲れてるとかほんと良くないなって思った。

 ちなみに揉め事の原因は、しょっちゅう私がホームセンターに買いに行かされてるコオロギ(飼育してる生き物たちの餌用)の、配分先の不平等について。

 どのくらいしょっちゅう買いに行ってるかというと、ペットショップコーナーの店員さんが私の顔を見ると「あっ、…今日は、コオロギの在庫が無いんです」って言うくらい。絶対バックヤードで「コオロギおばさん今日も来た」って言われてる!!

 そんなコオロギおばさんになってまで買ってきてるコオロギを、カエルやカナヘビやトカゲに与えずに、今いちばん寵愛が熱いカマキリたちにあげちゃうので、私も夫も怒ってるのである。

 

 カマキリなんか、そのへんのバッタでもとってきて食べさせればいいでしょ!

 「じゃあバッタがどこにいるのか教えてよ!それから言ってよ!」

 キョエーーーーお母さんがバッタの生息地なんかいちいち把握してるかいな!!興味ないっつーのー!じゃあダンゴムシでも食わしとけ!

「ダンゴムシは固すぎてカマキリは食べられない!」

 じゃあミルワーム(餌用のイモムシみたいなやつ、比較的安価で大量)でいいでしょ!コオロギは単価が高いんだよ!

「ミルワームは栄養がないからカマキリ可哀想なんだよ!」

 じゃあミルワームに煮干しでも食べさせてカルシウムタンパク質たっぷりに育て上げればいいでしょ!!

夫「そういう問題じゃない」

突然の乱入。

 しかし夫も娘の味方なのではなく、夫の寵愛ランキングはミヤコヒキガエル>アオガエル>アマガエル>>>超えられない壁>>>カナヘビ、トカゲ、圏外カマキリ、なので、高いコオロギをカマキリに食わせることには最も反対している立場なのであった。

 案の定、娘の剣幕に夫も押され、とうとう「じゃあ休みの日にはバッタのいる湿地に毎回連れて行ってよ!それならいくらでもバッタを取るよ!」「お父さんだって休みの日はゆっくりしたい!!なんでカマキリのために湿地まで行かなきゃいけないんだ!」とワケのわからない喧嘩に。

 そして全員が「もういい!バカ!」みたいになって寝た。

 朝起きて考えてみて、あまりのバカバカしさに笑ってしまったので、供養のためにここに記録しておく。

 要するに、娘の中でカマキリ愛が爆発してるんだから、何を言ったってムダなんである。この前まで、カマが1本取れてる片手のカマキリをめちゃくちゃ可愛がっていて、それはそれは丁寧に餌を食べさせていた。残念ながらその子は死んでしまったんだけど、そしたら「せっかく栄養があるから」って言って今度はカエルに食べさせてて、食物連鎖を司る神のしぐさだった。

 とにかく彼女がカマキリを大事にしたいなら、しばらくはそのために、コオロギおばさんはホームセンターをはしごするしかないんだな(入荷日が違う3軒を回ってるんですよ!私は!)。

 

 ただ、コオロギはほんとに高いので、無制限には与えられない、餌代の一部を娘のお小遣いから負担させるとか(気持ちだけね!3年生のお小遣いでは1回分にも満たないから…)、そういう落とし所でいいのかもしれないな〜。

 こんなにもカマキリとコオロギと両生類のことでモメる人生になるとは思わなかった。

それでも、より良い飼育環境にしてやろうと思って、飼育ケースを買い揃えたり、いい土を買って入れてやったり、水を用意して取り替えてやったり、ほんと、心を砕いてるんですよ…我々は…。

 人間の子どもと夫の世話だけでもいっぱいいっぱいなのに、虫!両生類!

 もうほんとグレイトマザー選手権に出てもいい。

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